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めぞん一刻

『めぞん一刻』(-いっこく)は高橋留美子によるラブコメディ漫画作品。及びこれを原作としたアニメ(テレビ・映画)、実写版映画、テレビドラマ作品。

[編集] 概要

[編集] 連載誌
「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)誌上において、創刊号である1980年11月号から1987年の19号にかけて連載。ビッグコミックスピリッツは創刊当初は月刊であったが、月2回刊からさらに週刊へと変わり、掲載の頻度は増えていった。

単行本は全15巻。2007年4月27日に新装版として発売される。 1992年から1993年にかけて、A5判のワイド版としても発売され、1997年には文庫版が出ている。


[編集] 映像化
1986年にはアニメ化、実写映画化され、1988年にはアニメ映画も作成されている。また、2007年5月12日にはテレビ朝日系列でテレビドラマが放映された。


[編集] 内容
「時計坂」という町にある「一刻館」という名の古いアパートに住む大学生五代裕作と、管理人としてやって来た若い未亡人音無響子を中心としたラブストーリー。1980年代のラブコメディー漫画の金字塔として名高い作品である。

人より苦労を背負い込んでしまう世渡り下手な青年・五代裕作と、生来の鈍感さと亡き夫への操ゆえの真面目さを合わせ持つ美人管理人・音無響子の織り成す恋愛模様が、常識はずれの面々が住むおんぼろアパート「一刻館」を舞台に、高橋独自のリズミカルでコミカルな展開で小気味良く描かれている。


[編集] 一刻館
「一刻館」は、坂の途中に建っている古い木造アパートであり、建物中央の屋根部分にある時計台の時計が壊れて動かないことからつけられているようである(道理としては、建物が建った当初は動いていたと考えられるが)。前述のように、物語の舞台となる街の名前および最寄駅の名称は「時計坂」という設定であり、坂の途中にある時計台のあるアパート「一刻館」が、そのまま街の名前になっているとも推測されるが、いかにその土地で古くからあり目を引くランドマーク的な建物であっても、単なる一アパートが街の名前になっているのかどうかは謎である。風呂は無く、住人は銭湯を利用。トイレも共同である。


[編集] 時代背景
物語は、すれ違いと誤解の繰り返しが基本構造となっており、この展開手法は1990年代初頭に流行したトレンディドラマに影響を与えたと言われている。固定電話は普及していたが、五代は経済的理由で電話を引けない状態であり、アパートの電話は管理人室と共用にそれぞれ1台という設定がなされた。ガールフレンド(こずえ)から五代あてにかかる電話を響子が取り次ぐなど、現代では考えにくいシチュエーションから生じ得た数々のすれ違いと誤解、住人たちの干渉などは、物語のための大きな舞台装置となっている。[1]


[編集] 登場人物の特徴
登場人物はそれぞれが際立った個性を持っている。"非常識のかたまり"とも言える一刻館の住人をはじめとして、アクの強いキャラクターたちがおりなす奇妙でおかしな行動の数々も、物語の重要な要素である。住人の苗字には、居住する部屋番号と同じ数字が入っている(ストーリー上の重要人物の三鷹瞬、七尾こずえ、八神いぶき、九条明日菜も含む)が、これは高橋が大ファンである筒井康隆の短編小説『死にかた』から発想を得たとも言われている。


[編集] 作品のきっかけ
高橋が大学時代に住んでいた中野のアパートの向かいにあった下宿屋の住人の様子が面白そうだったことから、下宿屋の人間模様(喜劇)を描いてみたいというのがこの作品のきっかけであり、当初は恋愛作品の予定ではなかったという。そのためか初期には浪人の五代を一刻館の住人がからかうストーリーが多かったが次第に恋愛中心のストーリーになっていった。


[編集] 現実世界との繋がり


この作品は、高橋の他作品『うる星やつら』、『らんま1/2』、『犬夜叉』などのファンタジー性の高い物語とは異なり、現実的で等身大の世界観を持つ作品である。そのため、他の高橋作品は苦手としても『めぞん一刻』だけは好きだというファンも少なくない。

タイトルにある「めぞん」の由来はフランス語の "maison"(家、住居)であり、「めぞん一刻」=「一刻館」を表しているが、連載開始時はまだ一般的でない外来語だった。作品が開始された1980年頃は終戦直後に建てられた復興住宅の第二次建替ラッシュ(第一次ラッシュは1960年代)にあたり、また掲載期間は高度成長期から安定成長に転換し、やがてバブル景気に突入する時期とも一致する。郊外に多く見られた木造賃アパートはマンション(メゾン)に建て替えられ、低階層住宅や商店街の家並なども失われていった。





時計坂駅のモデルとなった東久留米駅北口駅舎 2006年11月撮影。画像奥のマンションは連載後に建設されたため、作品には登場しない。
執筆当初、高橋は東京都東久留米市に居住しており、本作品の初期の舞台設定や風景描写にはこの街の様子がうかがえる。例えば「時計坂駅」の外観は、西武池袋線の東久留米駅がモデルとなっている。駅舎やプラットホームの描写に同駅の特徴が見て取れる。連載当時の東久留米駅は現在の北口駅舎(写真)しかなく、駅舎脇には「狭山そば」の店舗があった(作中でゆかり婆さんがそばを食べながら店を出てくるシーンがある)。原作中にみられる時計坂の描写の多くは、東久留米駅北口から徒歩数分圏内の町並みをモデルに作画されていることが愛好家らの研究により発見されているが、その多くは20年以上の時の経過により消失し、面影がわずかに確認出来る程度である。なお作者は当作品の執筆中に練馬区に住み替えており初期の作画と後期のそれとが同一性を保持していないことが指摘されている。

原作中では鉄道路線として明確に設定されていたわけでは無いためアニメ化に際してアニメーターが黄色い車両を中央・総武緩行線と想定してしまったのか(制作のスタジオ・ディーンは同線沿線の西荻窪にある)、アニメ31話「一刻館スキャンダル 五代君が同棲中!?」では「立川」、「津田沼」の行き先を出した電車が描かれており、92話「こずえちゃん結婚! 五代の愛は永遠に?!」では「西船橋」の方向幕を出した電車が描かれているとファンサイトの指摘がある。その一方で47話「響子ハチャメチャ! 酔いどれてプッツン」の中で西武鉄道の特急「レッドアロー」が登場するなどかならずしも一貫しない。

TVドラマでは、東急東横線・妙蓮寺駅前 (時計坂駅として登場する) や白楽駅前の六角橋商店街・周辺の坂道がロケ地に選ばれている。同商店街は坂道にあり、またロケが行なわれた2006年12月時点でも80年代から立て替えられていない商店が多いことからこの地が選ばれたと思われる。また、五代が受験し合格発表などを撮影した東京学院大学には武蔵大学が用いられている。

真の主人公ともいえる一刻館の所在地について、原作では郵便物の住所などに「練馬区」の文字が見える(61話)が、住民票の移動に「市役所」へ行くというセリフがあったり、61話の絵葉書の郵便番号が練馬ではありえないなど指摘があり、一刻館の具体的な住所は特定できないとするのが通説で、23区にほど近い東京都西部、あるいは23区内の最西部の設定であると考えられている。アニメや実写作品ではより分り難く、アニメでは「都内時計坂市時計坂町1−3−10」と書かれた手紙が54話、61話に登場し、漫然と東京都西部の設定であると考えられている[2]。一刻館のモデルは高橋が学生時代に住んでいた中野区のアパートに隣接する「へんなアパート」であり、1980年の春に取り壊され連載を決めたときにはすでに建物は無かった(ビッグコミックスピリッツ2005年47号)。正面からの構図は札幌の時計台や高知県安芸の野良時計に近似されるが、文字盤が正面にしか無いなど一致する箇所は部分的である。原作では一刻館の管理人室の位置が構造的にありえないことも指摘されており、「昨日まであった」かのようでありながら、実際には「どこにもない」場所である。

その他、五代裕作の終(つい)の職業が「保父(ほふ)」[3]とされたが、保育士は長らく女性の職場とされてきたのが1986年の男女雇用機会均等法の改正を背景に、伝統的な職場へ異性の進出が話題となっていた。実家へ帰るゆかり婆ちゃん(裕作の祖母)を国鉄大宮駅まで一刻館の住人らで見送りに行き、ホームで酒盛りを始めてしまうエピソードがある。これは、国鉄がJRへ民営化されておらず、そして東北・上越新幹線がまだ全開通しておらず大宮駅を暫定で始点としていた頃{具体的には1982年(昭和57年)11月15日〜1985年(昭和60年)3月14日の間}の作品であることが分かる。アニメでこのエピソードを取り上げた時には上野駅の地下新幹線ホームにかえられている。ちなみに、東京駅始発になったのは1991年(平成3年)6月20日からである。

関連項目 巡礼 (通俗)

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注意:以降に作品の結末など核心部分が記述されています。


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[編集] 登場人物(原作・テレビアニメ)

[編集] 一刻館の住人
音無 響子(おとなし きょうこ)(テレビアニメ版の声優:島本須美)
本作のヒロインで、若く美しい未亡人。彼女が管理人として一刻館にやってくるところから物語がスタートする。
詳細は音無響子を参照

五代 裕作(ごだい ゆうさく)(声:二又一成)
一刻館5号室の住人。心優しくも気弱で優柔不断、典型的なラブコメ主人公(ただし作品上では音無響子が主人公であり、五代は主人公ではない)。
詳細は五代裕作を参照

一の瀬 花枝(いちのせ はなえ)(声:青木和代)
一刻館1号室の住人。詮索好きで世話好きのいわゆる典型的なオバサンだが、加えて騒動好きで酒好きの宴会好きという豪快な性格。北海道出身(スケートの話での「道産子だもーん」という台詞より)。昼間から酒を飲んでおり、酒樽体型(ただし、学生のころから同じ体型だった)。普段はちゃらんぽらんだが、響子に時折有効なアドバイスをするなどいざと言うときに頼りになる。五代と響子の関係を家族のような目で見守りつつも大変面白がっていて、常に事態を面白くさせようと行動するため、彼女が元凶となった誤解は数知れない。
一の瀬氏(いちのせ し)(声:矢田稔)
一の瀬花枝の夫。気弱で存在感が薄く、管理人の響子でさえ長いことその存在に気付かなかったが、勤めていた会社が倒産した事により、初めて住人達にその存在を知られる。一の瀬家は一刻館で唯一家族で暮らしている。花枝との馴れ初めは社内結婚である。原作では「一の瀬氏」「一の瀬のおじさん」と呼ばれ名前の設定は明らかにされなかった。
一の瀬 賢太郎(いちのせ けんたろう)(声:坂本千夏)
一の瀬夫婦の長男で、物語の大半は小学生。響子を含む一刻館の住人では最も常識人。母親を反面教師にしてか、大人びた子供である。五代に夏休みの宿題を見てもらっていた「メモリアル・クッキング」では、ワークブックの表紙に「4」の数字が見られ、1981(昭和56)年当時に小学4年生(9歳か10歳)だったのでは、という説と、翌1982(昭和57)年8月の「夏の思い出」の話で、通常3年生で学習する「こそあど言葉」を勉強していることから、当時小学3年生だったのでは、という説あり。原作では中盤以降は全く登場しなくなり、最終話にのみ姿を見せた(最終話は裕作と響子の結婚式を描いており、この時に賢太郎は中学生になっていた。仮に1981年度に4年生だとすると、最終話の1987年春の段階では、結婚式が3月か4月かによって、中学3年の卒業前後か高校1年入学前後の両方の可能性がある)。TVアニメ版では二階堂望が登場しないため、本来なら二階堂の役回りとなる部分(アパートに戻れなくなったと誤解した五代を匿う羽目になる、とか)が賢太郎に回るなどして、一応出番は継続していた。
二階堂 望(にかいどう のぞむ)(声:堀川亮、テレビ版アニメには登場せず。劇場版には登場)
一刻館2号室の住人で大学生。連載の後半で登場。大学現役合格を機に高級マンションの立国館と一刻館とを間違えて入居してくるが、管理人の響子を気に入りそのまま一刻館に住むこととなる。実家は裕福らしく、過干渉気味の母親に甘やかされて育ったせいか他人の気持ちに疎く、場の空気を察するということができない。ただしマザコンではなく、母親の過干渉は内心疎ましく思っており、気楽に一人暮らしができることを喜んでいる。入居した段階では未成年だがタバコや酒を嗜んでいた。転入直後に一通り住人達との騒動(五代を巻き込んだ四谷との対立、三鷹とのやりとりなど)があって以降は登場機会が少なく、一刻館の住人でありながら端役であった。最終的には大学卒業まで一刻館に住み続け、卒業後は地元の茨城県で就職した。
三越 善三郎(みつこし ぜんざぶろう)(声:堀勝之祐、テレビ版アニメのオリジナルキャラクター)
一時的に一刻館3号室の住人となる。一刻館を地上げする目的で来たが、最終的には何もせずに去っていった。なお、原作では3号室は一度も住人が住み着くことはなく、愛好家らからは「開かずの3号室」と呼ばれた。
四谷(よつや)(声:千葉繁)
一刻館4号室の住人で、五代の隣人。下の名前は不明。五代が一刻館に入居したその日に、4号室と5号室の間の壁に穴を開けてしまい、そこから何かと五代の私生活に干渉する。五代、響子、二階堂などは職業など何をしているのか疑問を懐き尾行、調査をしたことがあったが四谷に見つかり結局なにも分からなかった。別の話でも五代は職業は何ですか?と聞いたが秘密と答えられて無職のくせにといったことがあったことから、病気などの理由で生活保護受給者ではないか、スパイ、公安警察、探偵ではないかなど色々な説がファンの間で飛び交った。趣味はのぞき、特技はたかり。年齢・職業・経歴などは一切不明という、変人ぞろいの一刻館の住人の中でも一際目立つ存在であり、結局何者なのか不明なままこの作品は終了した。アニメ版では、本人に瓜二つの祖父、叔父がかつて一刻館に居住していたという設定で「一刻館の歴史は四谷家の歴史」とのセリフが登場する。人物設定は先行作(ダストスパート)の背古井と類似点が多く、デビュー作『勝手なやつら』における黒メガネ異星人、代表作『うる星やつら』における'面堂サングラス部隊'に系譜するクラウン・舞台回しに相当する。
六本木 朱美(ろっぽんぎ あけみ)(声:三田ゆう子)
一刻館6号室の住人。一刻館の面々のいきつけスナック「茶々丸」勤務。普段着はスケスケのベビードールと下着という扇情的な格好で、そのままアパートの中をうろつくが、住人たちは慣れっこになってしまっている。酒好きで破天荒な性格だが、時折、響子や五代にずばり本質を突いた一言を掛けて、背中を押してやるような姉御肌の世話好きな面もある。ちなみに、6号室に住んでいるため「六」のつく苗字であることは読者の間で早くから予想されていたが、登場人物が「朱美さん」か「朱美ちゃん」としか呼ばない(最後まで誰も彼女を苗字で呼んだことはなかった)ため、実際に苗字が出た(自分で名乗った)のは、原作のかなり後期になってからである。

[編集] 響子と裕作に関わる人々
惣一郎(さん)(犬♂)(そういちろう)(声:千葉繁)
響子の愛犬。響子の亡夫・惣一郎が帰宅途中に買った焼き鳥に釣られてついて来て、そのまま音無家に居ついてしまった、風采の上がらない雑種の白犬(賢太郎曰く「白くてじじむさい犬」)。惣一郎は「シロ」と名付けたがその名にはほとんど反応せず、響子が「惣一郎さん」と夫を呼ぶたびに反応していたことから、夫の死後はその名を受け継いだ。
三鷹瞬(みたか しゅん)(声:神谷明)
詳細は三鷹瞬を参照

響子の通うテニススクールのコーチ。金持ちでスポーツ万能、容姿端麗で女性にもてるという典型的なライバルキャラで、白い歯がいつも爽やかに輝いている。
七尾 こずえ(ななお - )(声:冨永み〜な)
五代のガールフレンド。1962年度生まれ。独特の無邪気さや積極性でエピソードのきっかけを作ることが多い。独特のペースを持ち、周囲の人間はその雰囲気を容易には崩すことができない。五代とは1歳違いだが、五代が一浪しているため大学の学年は同じ(ただし同じ大学ではない)。大学1年の夏休みに酒屋のバイトを通じて五代と知り合った。近眼で、酒屋のアルバイト代でコンタクトを購入したため、こずえが眼鏡(レンズ部が顔の半分ほどもある大きなもの)を掛けていた印象が強かった五代は、その後、秋に街で再会して声をかけられても、すぐには彼女と気がつかなかった(五代曰く「メガネとると別人みたいなんで…」)。この再会をきっかけに、五代へ積極的にアプローチを開始する。五代にネクタイ着用させ、自分で買ってきたメロンを(土産として)持たせ、不意打ちで自宅に連れて行き家族に紹介するなど、ちょっとした策略家でもある。時々五代は気持ちが揺れ動いてこずえに迫ろうとするが、タイミングが合わず2人はプラトニックなままである。また、五代が別れ話を切り出そうと決意したときも、なぜかしら不成功に終わる。物語終盤には、こずえの早合点から複数の大騒動が起きるが、「雨降って地固まる」結果となる。結局、五代が響子のことを好きなことを知ることはなかった模様であるが、漫画中の描写からは最後に至るまで五代の感情を知らなかったかどうか推測をするのは難しい。
八神 いぶき(やがみ - )(声:渕崎有里子)
五代が響子の母校へ教育実習に行った際、受け持ったクラスの委員長。1967年度生まれ。美少女で成績も良いが、決して優等生タイプではない。ある誤解から五代に恋をし、一刻館に度々押しかけては騒動を巻き起こす怖いもの知らずの女子高生。就職活動に苦しむ五代を見かね、大手商社の人事部長である父に五代の入社を依頼し、逆に不利に追い込んでしまうこともあった。物語終盤には原作者が、五代とこずえや、三鷹と明日菜などの関係を整理することで精一杯だったのか登場しなくなり、最終話の後日談では、女子大生となって1ページ登場したのみ。後述のとおりアニメの劇場版「完結編」で五代との関係にケリをつけることになる。
五代 春香(ごだい はるか)
コミック最終話に登場。裕作と響子の間に生まれた娘。

[編集] 響子の縁者
音無 惣一郎(おとなし そういちろう)(声:田中秀幸)
響子の亡夫。響子の通っていた高校の地学の非常勤講師(響子とこずえの会話で「講師のバイトしてたんです」とある)で、響子より10歳年長(原作「配達された一枚の葉書」の響子の述懐によると、昭和52年春・当時高校3年生だった響子に出会ったときに27歳とある)。響子との結婚後、わずか半年余りで亡くなってしまった。ストーリー開始時点ですでに故人であり、その姿はつねに影法師の描写でなされ、人格の表象である顔を意図的に隠すことで物語に強い輪郭を与えている。これは音無家を訪問した五代が、仏前の遺影をのぞき見ようとしたら、結局、額が壊れていて表情が分からない、アルバムの写真で確認しようとしたら汚れていて判明できずといったコメディにまで昇華されるほど徹底しており、結局、完結に到るまで直接描かれることはなかった(終盤に五代は写真を見ることができたが読者にはわからないように描いた)。最終回前のエピソードで彼の遺品が登場するが、懐中時計や丸縁の眼鏡を使っていた(常時着用していたかは不明)ことが分かる。一般的にはうだつの上がらない人物だったようだが、彼の存在は物語において大きな意味を持ち、五代の最大かつ最強の恋敵である。名前の由来は連載誌スピリッツの担当編集者だった鈴木総一郎からといわれているが、鈴木本人は「これは全くの偶然です(笑)」と話している。[4]
音無惣一郎の父(声:槐柳二)
名は不明。アニメでは音無老人と呼ばれている。響子の義父で、惣一郎亡き今でも響子は「お義父さん(おとうさん)」と呼んでいる。穏やかな老人で、未亡人となった響子のことを気にかけている。一刻館の大家で、入居契約や契約更新もその役目であるようだ。響子の母校である女子高の理事でもあり、それゆえ惣一郎が講師として教鞭をとることにもなり、裕作の教育実習先にもなった。
(音無)郁子(いくこ)(声:荘真由美)
惣一郎の姪。響子を「おばさま」と慕い、五代を「おにいちゃん」と慕っている。郁子の強い要望により、中学の3年間(連載時期:1981-83年度)五代が家庭教師をした。賢太郎の初恋の相手だが、郁子本人はその好意に気づいていない。原作では姓が「音無」かどうか確定できず、ファンの間でも意見の分かれるところとなっている。テレビアニメ版ではテキストに「音無郁子」の記名が確認できるシーンがある。連載時期84年度に高校に入学しているので、同じ年度に高校2年生だった八神いぶきの(学年では)1つ下の設定と考えられる。最終話(連載時期:87年春)では高校卒業前後(大学1年生?)の成長した姿で登場するが、中学生になっていた賢太郎とともに、作品中で時間が6年半経過したことを如実に語る描写である。
郁子の母(声:峰あつ子)
惣一郎の実姉あるいは義姉。音無老人や響子との言葉遣いからは音無老人の実子とも受け取れるが確定していない。
千草 律子(ちぐさ りつこ)(声:松島みのり)
響子の実母。なかなかの策略家で、響子の音無家からの離籍や再婚に執念を燃やす。
響子の父(声:富田耕生)
響子の実父で名は不明。大変な愛娘家。響子と音無家の縁を切りたい点では妻の律子と同意見だが、再婚には反対。できればひとり娘の響子をずっと手元に置いておきたいと思っている。惣一郎との結婚にも大反対し、駈け落ちの原因となった。響子の子供時代を思い出しては泣く。

[編集] その他
九条 明日菜(くじょう あすな)(声:鶴ひろみ)
三鷹の見合い相手で旧華族の令嬢。性格はおとなしく世間知らずで引っ込み思案だが、芯はしっかりしている。本気で三鷹に思いを寄せ、三鷹が響子にアプローチしていることを知っても決して引かない。一時三鷹に振られそうになった時は失意のあまり倒れ、出家して生涯結婚しないと言い出し三鷹を困惑させた。もの凄く声が小さいことを表すため、原作では吹き出しの活字がいつも小さい。大の愛犬家であり、6匹の飼い犬を自分の弟や妹と呼びかわいがっている。
なお、明日菜の初登場時(原作「大安仏滅」)に、甥(三鷹瞬)に見合い相手として彼女を紹介した三鷹の叔父は、彼女を「白百合女子大卒、21歳」と紹介しているが、4大卒なら最低でも22歳以上の筈なので、実際には短大卒の可能性が高い。なお実在する白百合女子大学は、かつて白百合短期大学(1950-65年)であったものの彼女が在籍していたであろう時期(1982-84年)には4年制単科大学に移行しており、短大部は存在しない。
最終的には三鷹との間に「まい」「めい」(漢字不詳)という双子をもうけ、3人目を身ごもっている。
五代 ゆかり(ごだい ゆかり)(声:京田尚子)
五代の祖母(父方の祖母)。働く両親の代わりに五代を育てた。矍鑠としていて、上京時にはディスコにも繰り出すほど。一刻館の住人たちの酒盛りのペースについていけるほど酒に強く、泳ぎも得意(自称「若いころは浜の女王」だが、五代曰く「スルメ」)。毎年自分で梅酒を造っている。三鷹に負けじと歯が光る。新潟弁を話す。一人称は「オレ」たまに「ワシ」という場合もある。原作・アニメではとてつもなく背丈が小さく見える。(劇場版では多少大きくなっている)
五代の家族
 祖母・ゆかりの他、定食屋(店名「五代」)を営んでいる両親と、既に結婚して娘(みっちゃん)がいる姉、および、その夫で脱サラ後五代家の定食屋を手伝っている義兄がいる。
五代 晶(ごだい あきら)
裕作の従姉妹。幼少の頃は色黒でボーイッシュ。その頃に裕作とは結婚する約束をしたが、本人は忘れているようである。成長して美少女になっていた。裕作の骨折による入院で世話をしに登場したが、それは駆け落ちのカムフラージュだった。テレビ版アニメには登場せず原作のみ登場。
坂本(さかもと)(声:古川登志夫)
五代の悪友。予備校・大学ともに同輩。大学卒業後はしょっちゅう無断欠勤するスチャラカ社員となっている。五代にキャバレーの仕事を斡旋し、終盤の物語に大きな影響を与えている。また、大学卒業後に五代を風俗に連れて行くことで、五代に女性経験をもたせている。原作前期の大学生時に、五代は響子が「未亡人ということは性体験がある」という事実に気づいて衝撃(とある種のコンプレックス)を受けていたが、異性経験について同じステージに上がっていたことで、最終的に響子との関係を深めていく中途過程において五代に影響を与える経験となった。
黒木 小夜子(声:島津冴子(TV版)、榊原良子(劇場版))
五代の大学の同級生。人形劇クラブに五代を誘う。卒業後「しいの実保育園」に勤務。就職にあぶれた五代をこの保育園のバイトに誘い、彼が天職に出会うきっかけを作ることになる。一見クールな印象で、かなりさばけた性格である。
ブチョー(部長)
五代が大学時代に所属した人形劇クラブの部長で、五代や黒木の先輩。本名不明。部員たちからは「ブチョー」と呼ばれている。いかつい顔の大男だが、心優しく子ども好き。卒業後は幼稚園教諭となり、在学中から長く恋人同士だった黒木と結婚する。
マスター(声:若本紀昭)
スナック「茶々丸」のマスター。茶々丸の2階が住まい。作中の数少ない常識人。実は既婚者だったが最終話で離婚したことを朱美に伝え、同棲を始める。
飯岡(声:富山敬)
五代のアルバイト先のキャバレーの店長。原作では名前が無かったが、アニメ版で「飯岡」という名前が付いた。坂本の高校時代の先輩であり、その縁で仕事にあぶれていた五代がキャバレーで働くようになる。強面の外見や言葉遣いに似合わず親身な人物で、物事の本質を突く洞察力もあり、五代をどぎまぎさせることが多い。五代の保育士資格の受験にも協力的で、合格した時には手放しで喜んだ。
上荻先生(声:沢田敏子)
八神の担任で響子の恩師。原作では姓名不詳。響子のことを「五代を好きなくせに往生際が悪い」と言う八神に対し、「亡夫を本当に愛していて『本当のこと』が世の中に1つしかないと思い込むタイプの響子にとっては、新たな恋愛は亡夫への思いが嘘だったのかと苦しめることとなってしまうのでは」と、恩師ならではの洞察で響子の心情を説明する。
マッケンロー(犬♂)
三鷹が犬恐怖症克服のために飼い始めたポメラニアン。雄。飼い主に似て歯が光る。九条の愛犬・サラダとの出会いが三鷹と九条の結婚のきっかけを作る。名前のモデルは漫画連載当時、全盛を誇ったテニスプレイヤーのジョン・マッケンロー。
サラダ(犬♀)
明日菜の愛犬のうちの1匹で、ポメラニアン。マッケンローと出会ってポッとなり、ついて行く。サラダの妊娠報告が、身に覚えはなかった(響子との関係を気に病んで泥酔した三鷹がたまたま彼の部屋に来訪していた明日菜と一夜を共にしてしまう事件があった)ものの明日菜自身の妊娠報告と三鷹は誤解し、三鷹は明日菜との結婚を決意することとなった。
劇場版完結編ではマッケンローとサラダの間に生まれた三つ子(シュガー・ジンジャー・ペッパー)が紹介される。

[編集] ラジオドラマ
1984年、NHKラジオで単発ラジオドラマ化。

音無響子 - 岡本茉利
五代祐作 - 井上和彦
一の瀬花枝 - 高橋和枝
四谷 -
六本木 朱美 -

[編集] アニメ

[編集] テレビアニメ

[編集] 概要
1986年3月26日から1988年3月2日まで96回にわたり、30分作品のアニメがフジテレビをキー局として放映された。

放送局 - フジテレビ系列
制作 - キティ・フィルム
放映期間 - 1986年3月26日〜1988年3月2日 全96話
うる星やつらでの次回予告枠で、この作品が新番組として告知された際のキャッチフレーズは『坂の途中に愛がある』であった。

この作品は一部カットされた話があるものの途中で打ち切りにならずに放送を完走できた。高橋留美子作品では短編を除いてほぼ全話を放送できたのはこの作品だけである。
最近ではビデオ、DVD化もされ、キッズステーション、アニマックス、独立U局などで再放送が頻繁にされている。
TOKYO MXでは2006年10月6日から再放送していたが、2007年7月20日の第40話をもって打ち切られている。
声優林原めぐみが脇役として出演することが多かった。ちなみに本作は林原のデビュー作でもある。

[編集] キャスト
登場人物(原作・テレビアニメ)参照


[編集] スタッフ
制作 - 多賀英典
企画 - 岡正(フジテレビ、1-76話)、落合茂一(キティ・フィルム)
チーフディレクター - やまざきかずお(1-26話)、安濃高志(27-52話)、吉永尚之(53-96話)
アシスタントディレクター - 吉永尚之(49-52話)
シリーズ構成 - 土屋斗紀雄(1-26話)、伊藤和典(27-52話)、高屋敷英夫(53-96話)
音楽 - 杉山卓夫(1-26、38-96話)、川井憲次(27-96話)
カラーコーディネート - 保田道世(27-52話)
キャラクターデザイン - もりやまゆうじ(1-26話)、高田明美(27-96話)
美術監督 - 朝倉千登勢
撮影監督 - 小沢次雄
音響監督 - 斯波重治
プロデューサー - 松下洋子(キティ・フィルム)、久保真(スタジオディーン)、加藤裕子(フジテレビ、1-76話)、中尾嘉伸(フジテレビ、77-96話)、河野雄一(フジテレビ、77-96話)
脚本 - 土屋斗紀雄、柳川茂、金春智子、武上純希、小西川博、島田満、伊藤和典、高屋敷英夫、金子裕
コンテ - やまざきかずお、湯山邦彦、鹿島典夫、向後知一、古川順康、山内重保、小島多美子、吉永尚之、鈴木行、片山一良、安濃高志、望月智充、大賀俊二、片渕須直、近藤英輔、棚橋一徳、茂木智里、澤井幸次
演出 - やまざきかずお、吉永尚之、関田修、向後知一、鈴木行、片山一良、近藤英輔、片渕須直、山口頼房、山本智史
作画監督 - 河南正昭、服部圭子、音無竜之介、土器手司、中嶋敦子、高岡希一、小川博司、清水恵蔵、鈴木俊二
原画 - ランダム、スタジオジャイアンツ、スタジオ雲雀、マジックバス、スタジオ夢民
動画チェック - 福島竜朗、宮下力、高木康子、川嶋明、小沼克介、平尾昌子、鮑智行、屋根成太、小沼宏太
動画 - スタジオディーン、グループどんぐり、スタジオコア、スタジオ童夢、ランダム、スタジオ雲雀、スタジオライオンズ、マジックバス、スタジオマーク、スタジオ夢民、スタジオぴぐもん8
仕上 - スタジオOZ、シマスタジオ、スタジオステップ、スタジオディーン、プロダクションアクト、ティ・ニシムラ、はだしプロ、スタジオボギー
背景 - プロダクション・アイ
メインタイトル - 杉澤英樹
タイトル - マキ・プロ
色指定 - 田内成子、渡辺理佳、成田賢二、深田早苗、伊藤弘子、石橋佳久、出村幸雄
特殊効果 - 斉藤丈史
検査 - 深田早苗、吉良幸子、西川裕子
撮影 - ティ・ニシムラ
編集 - 坂本雅紀、森田清次
効果 - 依田安文
調整 - 桑原邦男
録音演出助手 - 朝梨なおこ
録音スタジオ - ニュージャパンスタジオ
録音制作 - オムニバスプロモーション
現像 - 東京現像所
広報担当 - 小暮雄一(フジテレビ)
制作進行 - 神宮亘、永瀬仁、水上甲治、木村直人、芝田達矢、千葉茂夫、光延青児、中村昌樹、野本拓、伊藤良樹、石田智明、千葉大輔、森井俊行
制作デスク - 米澤正幸
アニメーション制作 - スタジオディーン
制作 - キティ・フィルム、フジテレビ

[編集] 主題歌・挿入歌等
オープニング
悲しみよこんにちは(歌:斉藤由貴、作詞:森正和、作曲:玉置浩二、編曲:武部聡志、1-23, 25-37話)
Alone Again (Naturally) (歌・作詞・作曲:Raymond Edward O'sullivan、24話)
好きさ(歌:玉置浩二、矢萩渉、武沢豊、六土開正、田中裕二、作詞:松井五郎、作曲:玉置浩二、編曲:星勝&玉置浩二、矢萩渉、武沢豊、六土開正、田中裕二、38-52話)
サニー シャイニー モーニング(歌・作曲:松尾清憲、作詞:湯川れい子、編曲:白井良明、53-76話)
陽だまり(歌・作詞・作曲:村下孝蔵、編曲:水谷公生、77-96話)
エンディング
あした晴れるか(歌・作曲:来生孝夫、作詞:来生えつこ、編曲:星勝、1-14話)
シ・ネ・マ(歌:辻畑鉄也、東純二、森英治、作詞:大山潤子、作曲・編曲:辻畑鉄也、東純二、森英治、15-23, 25-33話)
Get Down(歌・作詞・作曲:Raymond Edward O'sullivan、編曲:ジョニー・スペンス、24話)
ファンタジー(歌:辻畑鉄也、東純二、森英治、作詞:森正和、作曲・編曲:辻畑鉄也、東純二、森英治、34-52話)
サヨナラの素描(デッサン)(歌:辻畑鉄也、東純二、森英治、作詞:森正和、作曲・編曲:辻畑鉄也、東純二、森英治、53-76話)
ビギン・ザ・ナイト(歌:辻畑鉄也、東純二、森英治、作詞:来生えつこ、作曲・編曲:辻畑鉄也、東純二、森英治、77-96話)

[編集] 原作との相違点
五代が就職浪人していない(したがって五代の大学4年目から1年のタイムラグが生じている)
一刻館に若干の変更がある(玄関の石段の数がちがう、消火器、アンテナがあったり、窓が出窓になっている等)
原作とアニメのニュアンスが違う話がある(例・骨折の話等)
原作は青年誌に連載されていたため、性に関する発言があったり、終盤にラブホテルに入る場面や性交シーンなどがあったが、アニメでは表現の自主規制でカットしたり、間接的な表現に変えていた。例えば、五代が六本木朱美にラブホテルに呼び出された時に原作では下着姿だったがアニメでは服を着ていて「一発やっていく?」というセリフをカットし、ラブホテルの前で五代が響子に「あなたしか抱きたくないんだ。」と告白するシーンを、アニメでは公園で「僕の瞳にはあなたしか映っていないんだ。」と変更していた。

[編集] その他
よくも悪くも原作の改変の多かった前放映作『うる星やつら』の反省の意味合いも含め、性的ニュアンスのある部分以外はできるだけ原作に近いアニメ化を目指した。しかし、そのために放映日のタイミングと大幅に季節感のずれたエピソードがオンエアされるような事態になり、一般の視聴者から苦情が寄せられたため、2クール終了後のメインスタッフの交代に合わせてからはお正月に初詣に行く話を夏祭りに行く話しにしたり、夏にビアガーデンでバイトする話を冬の居酒屋でバイトする話に変更するなど、放映時期に近い形に修正された。こうした路線の変更についてはアニメ雑誌の投稿欄で議論の対象となった。
ギルバート・オサリバンが歌った「Alone Again」がアニメ24話のオープニング・エンディングに使用されたが、これは実写劇場版のテーマ曲でもあり、その公開に合わせての流用だった。しかしこのOPは諸般の事情で1回きりの放送となり、続く25話では以前のOPに戻された。これについては、番組の広報担当者が当時のアニメ雑誌上で『曲の権利関係の調整が不十分だった』と、著作権上の問題であったと弁明している。しかしアニメ誌以外では事情説明がなかったため、情報が広まらなかった。また、当時プロデューサーであった松下洋子は『当時、安濃高志チーフディレクターの交代の時期で、制作現場はかなり忙しかったため、やむなくめぞん一刻のキャラクターに不慣れな作画監督を起用したが、完成したOP、EDはキャラクターも似ていないし、色もパッとしないものになってしまった、その為24話の視聴率はガタ落ちし、また不評の電話もあったため、即刻元のOPに戻すに至った』と語っている。ただしその後一度だけ、挿入歌として作品中で「Alone Again」が流されている。
トヨタ自動車がスポンサーになったことがある。これはトヨタが本アニメの視聴者を「購買層」と認識したことを示すものだが、当時としてはかなり珍しい事象といえる(その後もまれにゴールデンタイムのアニメで自動車メーカーがスポンサーになることがあった)。そのため、前述の通り三鷹瞬の愛車は原作の日産・シルビアからトヨタ・ソアラに変更された。

[編集] OVA
番外編一刻島ナンパ始末記
単行本6巻巻末に収録された同名のストーリーをOVA化したもので、三鷹のクルーザーで三鷹と五代、響子を始め一刻館のメンバーがクルージング中に難破し、無人島に漂流する話。OVAでは以前にあったこととして回想シーンとして描かれ、無人島以外のオリジナルストーリーも少し含まれている。エンディングにテレビアニメ版最初のオープニングテーマ曲「悲しみよこんにちは」が流れる。アニマックスでは毎年夏頃に放送されている。
総集編移りゆく季節の中で
テレビアニメの総集編で、最初は白黒(文字のみ色付)で響子が総一郎の墓参りをしているところから始まり、最後もお墓の前で終わる。ただ、中期のストーリーがあまり描かれていない。

[編集] アニメ映画
『めぞん一刻 完結篇』のタイトルで1988年に映画化。「完結篇」と銘打ってはいるが、テレビアニメ版で五代と八神の関係の決着がはっきり描かれなかったこと以外は完全な結末を迎えているため、実際には原作やアニメで触れられなかった、五代と八神の関係がどう決着したかにスポットを当てた、番外編、外伝的な作品に仕上がっている。同時上映された『うる星やつら 完結篇』の方が話題性が高く、本作はどちらかというとおまけ的な役割であった。

一刻館での一晩の出来事がほぼリアルタイムで進行し、テレビアニメ版ではカットされた二階堂望も登場している。

公開日 - 1988年
配給 - 東宝
監督 - 望月智充
脚本 - 島田満・望月智充
音楽 - 森英治
作画監督 - もりやまゆうじ
アニメーション制作 - 亜細亜堂
制作 - キティ・フィルム

[編集] 主題歌
硝子のキッス(歌:姫乃樹リカ、作詞:松本隆、作曲:和泉常寛、編曲:荻田光雄)

[編集] あらすじ
一刻館の管理人・響子といよいよ結婚することになった五代。2人を見守り続けた一刻館の住人たちは、結婚式を翌日にひかえた夜、祝福の大宴会を開こうと計画する。一刻館の常で、酒が回るにつれて大狂乱になっていく宴会。そんな中、響子は誰かからの手紙を待っているらしい。五代は不審がり、不安になる。周囲の酔っ払いたちは、五代に嫌気がさして他の男と駆け落ちするのではないかなどと無責任な想像をして、そんな五代の不安をあおりたてる。沈黙する響子の秘密とは??


[編集] その他
作画、キャラクターデザインが意図的に劇画調のタッチにされた。これに違和感を感じる者も少なくない。そのためか、ビデオ・DVDのパッケージには原作の絵が描かれている。
同時上映された『うる星やつら 完結篇』を意識してか、八神が「ダーリンはウチのものだっちゃ」とラムのモノマネをして五代に抱きついた。
五代と響子が結婚式を行う2日前の話であり、原作やアニメを見ずにこの話を見ても理解し難い所があるので、原作又はアニメをある程度見た上でアニメ版最終話の前に見た方が楽しめる。ただし、二階堂が登場する事や、五代と響子が三鷹夫妻に会って明日菜の妊娠を知るのは、完結篇では結婚式前日、アニメ版では結婚式の後になっており、アニメ版との繋がりとしては矛盾が生じている。
実は、結婚記念と称した宴会は結婚式前日までの10日間連続で行われていた。

[編集] 実写版

[編集] 映画
『めぞん一刻』のタイトルで、石原真理子主演のもと映画化されている。人物構成以外は原作から離れ、独立した一本の作品として制作されたオリジナルストーリーである。原作にあった軽妙さや、高橋留美子独特のコミカルな『間』などはほとんど描かれず、澤井監督の感性が貫かれた、しっとりとやや暗いイメージの不思議なラブコメディとなっている。

従って原作ファンからの評価はあまり高くなく、一般客にとってもやや地味な内容のせいか、その後も話題に登ることは少なかったが、配役は原作のイメージを再現出来る俳優を厳選しており、特に一刻館の曲者3人組を演じた伊武雅刀、宮崎美子、藤田弓子の3人は絶妙。中でも四谷役の伊武雅刀は、はまり役との呼び声が高く、逆に伊武本人が四谷のモデルなのではとの説も流れたが、原作者の高橋留美子はこれを否定している(但し、同時期のアニメ雑誌等によれば、高橋留美子は「伊武が四谷のイメージに合致している」旨のコメントを残しているらしい)。五代を演じた石黒賢は本作が本格的な初主演作である。

公開時期に合わせて、ギルバート・オサリバンが歌う本作の主題歌は、同時期に放送されていたテレビアニメ版とのタイアップのため、同番組の主題歌としても使用されたが、前述のようにわずか1回で使用が中止される珍事態となった。

公開日 - 1986年10月10日
配給 - 東映
監督 - 澤井信一郎
音楽 - 久石譲
主題歌 - Alone Again (唄:ギルバート・オサリバン)

[編集] キャスト
音無響子 - 石原真理子
五代裕作 - 石黒賢
四谷 - 伊武雅刀
六本木朱美 - 宮崎美子
一の瀬花枝 - 藤田弓子
七尾こずえ - 河合美智子
茶々丸マスター - 深見博
一の瀬賢太郎 - 中垣克麻
惣一郎(犬) - :アンジェラ(犬)
他、田中邦衛・萬田久子・有島一郎・大滝秀治らが出演。


[編集] テレビドラマ
伊東美咲の主演で、初のテレビドラマが制作された。五代裕作役は、芸能活動をしていない一般男性を条件にオーディション選考され、中林大樹に決定した。

ドラマのプロローグとエピローグ部分には、2007年に五代裕作が娘の春香を連れて一刻館が取り壊された跡地の公園で当時の思い出を語る、と言うシーンが描かれている。

各種設定が原作および以前の作品と異なるように変更されている。響子が管理人として一刻館にやってきたのが1983年、五代裕作が1963年5月4日生まれ、一の瀬花枝が1946年11月3日生まれ(保証人:父 - 一の瀬政三・夕張市在住)。六本木朱美が1956年6月6日生まれ(保証人:兄 - 六本木健)。

放送日 - 第一回「浪人編」は2007年5月12日21:00〜23:06
視聴率 12.1% ※視聴率はビデオリサーチ社(関東地区)調べ
放送局 - テレビ朝日系列

[編集] キャスト
音無響子 - 伊東美咲
五代裕作 - 中林大樹(新人)
一の瀬花枝 - 岸本加世子
四谷 - 岸部一徳
六本木朱美 - 高橋由美子
五代ゆかり - 菅井きん
三鷹瞬 - 沢村一樹
音無老人 - 細川俊之
坂本 - 橋爪遼
七尾こずえ - 榮倉奈々
五代春香 - 森迫永依
茶々丸のマスター - 柳沢慎吾

[編集] STAFF
脚本:岡田惠和
プロデューサー:内山聖子
監督:本木克英
音楽:周防義和
エンディングテーマ 松任谷由実「守ってあげたい」

[編集] 制作協力
東北新社クリエイツ
小学館・ビッグコミックスピリッツ

[編集] 提供スポンサー
SUBARU・キユーピー・大洋薬品・メナード化粧品・TOYOTA・アース製薬・サントリー・SHARP・花王・SUZUKI・大正製薬。他に、民主党のCMも放映されているが、提供クレジットには表示されない。

[編集] 遅れネット局
福井放送(日本テレビ・テレビ朝日系列のクロスネット局) - 2007年10月21日放送
山陰放送(TBS系列) - 2007年8月15日放送

[編集] コンピューターゲーム
めぞん一刻 〜想いでのフォトグラフ〜
1986年、マイクロキャビンより発売。PC-9801シリーズ、PCエンジン他。アドベンチャーゲーム。下のファミコン版と内容はほぼ同じ。
めぞん一刻 〜想いでのフォトグラフ〜
1988年、ボーステックより発売。ファミリーコンピュータ用ソフト。アドベンチャーゲーム、上記のPC-9801シリーズ版の移植作。
めぞん一刻完結篇 〜さよなら、そして……〜
1988年、マイクロキャビンより発売。PC-9801シリーズ、MSX2他。アドベンチャーゲーム。
めぞん一刻 〜想いでのフォトグラフ〜/めぞん一刻完結篇 〜さよなら、そして……〜
1997年、マイクロキャビンより発売。Windows95。アドベンチャーゲーム、上記2作の移植作、定価30000円で3000個限定販売。
完結篇は、原作の終盤と映画版完結編のストーリーに沿ったゲームとなっているが、ストーリーが読めるため面白みが薄いとも言える。

X68000版は、シナリオ・グラフィック・BGM等に一部差異があり、また響子さんのセリフの一部にサウンドが付いている。

「想いで〜」は、原作の序盤を元にしたゲームオリジナルストーリーである。何も知らずに始めると、とりあえずの目的すら分からない、しかも四谷の機嫌が悪いと五代が死ぬ展開もあるという、かなり不親切な作りであるが、それが故にうろうろしたり、金欠に困ったりと、原作の五代同様の行動をプレイヤーは繰り返すという不思議な作りである。なお、セーブはトイレで行なう。トイレで下着姿の響子を見られるという裏技もあった。響子のハートをつかむことに成功したエンディング後、収支報告が表示される。しかし普通にプレイするとまずマイナス(借金)になる厳しい展開で、この金運のなさは原作どおりである。さらに郁子のケーキや祖母のお小遣いをたかりまくり一切借金しないようにプレイすることも可能である。しかし報告書に表示される収支は「-1円」である。

PCエンジン版、PC版はほぼ同じ作りであるが、ファミコン版はエンディング等が追加されており、ファミコンにしてはかなりグラフィックがよい。

Windows95版は、パソコン版の「想いで〜」と「完結篇」の2作を、Windows用にリメイクしたもの。ディスクは通常のCD-ROM用ケースに入れられ、木製・オルゴール付の特製ケースに収められている、また3000個限定で販売された為未開封の物は数万円の値段がつく事もめずらしくない。

オリンピアよりパチスロ機「めぞん一刻 (パチスロ)」が2006年11月下旬からリリースされた。原作のエピソードをゲーム化しているが、テレビ版とは別の声優陣が出演している。

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